アルミ製品製造の協同アルミ(高岡市戸出春日、森宏輔社長)は、アルミ形材を曲げる独自の加工技術で、小規模なマイクロ水力発電用の「らせん水車」を開発した。石川県立大との産学連携で試作や実験を重ねており、来年にも商品化したい考え。将来はアジアやアフリカの開発途上国での電力供給も視野に入れる。
協同アルミは、らせん水車の羽根を、アルミ押し出し形材の「分割曲げ技術」と呼ばれる3次元加工で製造しており、特許出願している。
らせん水車は、一定の水流がある小川などに設置してマイクロ水力発電に活用できるとして、同社近くの小川でも実験中。農業用の温室や一般住宅の冷暖房などの動力源となると見込む。らせん構造のプロペラはマイクロ水力発電だけでなく、熱交換器やポンプ、粉体搬送機器などに応用し用途拡大できるという。
らせん水車の発電能力は、断面の直径が15センチで6~10ワット、45センチで200~500ワット、90センチの大型では1キロワットが可能。大型1基で住宅1軒分の使用電力分を賄うことができるとみている。
石川県立大とは約1年前から共同研究しており、模型機を試作して羽根の枚数やピッチ(間隔)など最適構造を調べている。
らせん水車はコンパクトな構造で、低落差でも稼働効率が良く、維持管理しやすいといった利点がある。大正時代から昭和初期には農業用の動力源として全国で活用されていた。
海外では、インフラ整備が進んでおらず、家電製品の電源として自動車用バッテリーを活用しているような開発途上国での活用を想定している。
北日本新聞社